社長ブログ”千客万來”

白鵬の連勝止まる

横綱白鵬が去る11月16日、九州場所の2日目に稀勢の里に敗れ、連勝が「63」でストップした。TVのにわか解説者達は「さもありなん」と口を揃えたが、私もその一人だ。

白鵬自身は場所前、双葉山の連勝記録「69」の更新にかなりの自信があったのだと思う。
その白鵬が場所前の11月5日、双葉山の生家のある大分県宇佐市を訪れた。
曰く「勝って恩返し、という言葉がある。(記録を)越えるかは分からないが、角界と双葉関に恩返ししたい」
その訪問を知った地元の人々からは「正直越えて欲しくない」と本音が出た。

なぜ、あのタイミングで白鵬が双葉山の故郷を訪問したのか、私には全く理解できなかった。
普通なら、勝ってお礼が順序である。
何かいやな予感がした。あの時点では、誰が見ても序盤戦で白鵬を撃破できそうな力士はいなかった。白鵬もそう思ったと思う。
「このまま行けば、ほぼ確実に自分は記録を更新する、前人未到と思われた大記録を外国人力士である自分が。」
その遠慮、迷いのようなものが白鵬の心の中に生じたのではあるまいか。その思いが、白鵬を大分に向かわせたように思えた。勝負以外の雑念が生じたのである。

「もしかして負けるんじゃないか?」
本当にそう思った。

稀勢の里との相撲内容も、本来の白鵬であれば何度も勝ちパターンに変えるチャンスがあった。まるで自ら劣勢を誘い込んでいるような最悪の相撲だった。気がつけば土俵の外に押し出されもんどりを打っていた。そして夢から覚めたかのような目つきで一瞬、観客席に座り込んでしまった。

当然のことだが、連敗ストップは号外が出る大ニュースになった。敗戦後白鵬は「こんなものだと思う」と語り、自分が限界まで頑張った胸の内を吐露した。
しかし、翌日のワイドショーでは、出演者たちが「まだ若いからもう一度挑戦して欲しい。」等と呑気な事を言っていた。相変わらず外野は無責任で、数字や結果でしか物事を見ない。
後世語り継がれるであろうこの偉業から、何かを学ぼうという姿勢が感じられない。

昭和14年の春場所、「69」で連勝の止まった双葉山は負けた日を含め3連敗し、結果的には4敗を喫している。
一方白鵬は3日目から全勝して、14勝1敗となり、優勝した。その事は絶賛に値する。

数字では越えられなかったが、心の強さで越えたのだと思う。これは白鵬にとって大きな自信につながるだろう。そして日本人の殆どは今後の彼の活躍を違和感なく受け入れると思う。
これからの白鵬の相撲が楽しみだ。

吉澤 比佐志

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感謝の心

富山市の中心部を流れる「いたち川」沿いの石倉町に石倉延命地蔵尊があり、その脇に「幻の延命水」が湧き出ている。その水には様々な効果があるとされ、そのご利益を求めて連日多くの人たちが引っ切りなしに訪れている。

私も先日水を求めて出かけたのだが、驚いた事に多くの人は、水だけをせっせと汲み、傍らに立つお地蔵さまには見向きもしない。
そして汲み終わると車に水を積込み足早に立ち去ってしまうのだ。
それらの人々はお世辞にも若いとは言えない世代である。

お地蔵さまの水を頂いておきながら、お礼もしないとは何という事だろうか!
どのようなご利益を求めているのかは、わからない。中には商売に使っている人たちもいると聞く。
しかし、自分だけが良くなる事しか考えていないように思えてしまう。

3000メートルの立山連峰から流れ出る豊富な水、水汲み場やお地蔵さまのお世話をされている方々、どれをとっても「有難い」
皆が「ありがとう」とお地蔵さまにお礼を言って帰れるようになれば、富山はもっと素敵な町になるのかもしれない。
少なくとも県トラの社員にはそんな気持ちが持てる人になってもらいたい




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会社の会議を英語で?

会社の会議を英語で?

楽天やファーストリテイリングは、市場の国際化に対応して、社員が海外で通用できるよう会議を英語にしたそうだ。
日産では社長が日本語が話せない為に、会議を英語にしたのは致し方ないと思ったが、世界でも有名な英語下手の日本人同士がどうやって意思疎通をするのだろうか?

もう20年以上も前だが、私は比較的頻繁に英語を使う仕事をしていた。
英語が得意だったのでさほど苦に感じた事はなかったが、苦労して勉強している新入社員はたくさんいた。しかし、数年もすれば会話や交渉事にも慣れ、仕事をこなせるようになる。
苦労するのは商談が終わって食事に行った時の英語での日常会話というのは笑い話のような真実だが、英語力をカバーしうる個性で酒宴を盛り上げて外国人を虜にするビジネスマンはいくらでもいた。

戦後の日本の繁栄はバイリンガルでも何でもない、RとLの区別もできず、thの発音をするたびに舌を噛んでいたようなコテコテの日本人がブルドーザーの如く世界中を駆け回り作って来たのである。
最後は英語力より人間力なのだと言う事が実証されている。

国際戦略の為の有効な手段と経営者は考えているのだろうが、日本人にとって日本語というのは、自分自身の喜怒哀楽を最も適切に表現できる大切なツールであり、その言葉を使って色々な文化を生み出してきた魂の源である。
商売の為とはいえ、日本語をそんなに簡単に放棄していいものだろうか?などと考える私は時代遅れな経営者なのかも知れない。

吉澤 比佐志

ワールドカップから学んだ事

ワールドカップでベスト16を達成した日本。
そのリーダーである岡田監督は常日頃選手たちに、
「勝利の神は日常の細部に宿る」と説いていたと、長谷部選手がインタビューで語っていた。

自分勝手な解釈だが、勝利というのは日々やるべき事を手抜きすることなくやり、その努力を続けたものにのみその可能性が与えられるということだろうか。
どんなに豊かな才能に恵まれても日々の努力を怠る者には、勝利の神は微笑まないという事だろう。
しかし選手がいかに努力を重ねても勝てない事がある。
それは指導者の戦略が間違っている時である。

結果が物語る通り、岡田監督は有能な指導者だと思う。そして彼の采配から私が学ぶべき事は、社員がどんなに頑張っていても、社長が間違った経営戦略しか作れなければ、強い会社になれないという事である。
同じ業種で勝ち組と負け組があるのは、それは正に経営者の能力の差なのである。会社を勝利に導く道筋をしっかり示し、社員はそれを信じ行動しその結果として、真の勝利をつかむ。
そして会社と社員が成長して行く。

勝利のシナリオを描けなければ、経営者として失格である。
大きな転換点にある県トラを勝利に導くために、全身全霊頑張りたい。

吉澤 比佐志

日本再生なるか

6月6日付の日経新聞に経済産業省がまとめた、日本の産業政策の指針となる
「産業構造ビジョン」
の記事が出ていた。

これによれば、日本の国際的地位は急速に低下しており、
1人当たりのGDPは2000年の3位2008年には23位
国際競争力は1990年の1位から2010年には27位
市場拡大の規模は2009年から2015年で新興国が15兆ドル先進国が10兆ドル
日本は1兆ドル

液晶パネルのシェアは1995年の100%から2005年の10%
DVDプレーヤーのシェアは1997年の95%から2006年の20%
等と、驚くべき数字が並んでいる。

「ジャパン・アズ・ナンバーワン」ともてはやされ、成長モデルの優等生だった日本は、過去20年の間に「普通の人」になり、失敗モデルの国になってしまったのか?

この作成にあたった、東大の伊藤元重教授はこの「産業構造ビジョン」を、1985年に米国がグローバル競争力での主導権回復を目指して作成し、同国の産業復権の青写真となった「ヤングレポート」に倣い、その日本版になればとの思いを込めて作成したと語っているが、是非一度その内容をご覧いただきたい。
http://www.meti.go.jp/committee/summary/0004660/index.html#vision2010

敗戦後日本は、多くの国民が日本の復興の為に国内外を問わず股にかけ、獅子奮迅の活躍をした。
しかし、豊かになった今は政治家や経済人も自分中心の考え方をする人が多くなった。

日本復活に与えられた時間は僅かしかない。
本当にその事を理解する人がどれだけいるか?

「まだ大丈夫」は、「もう危ない」のである。

吉澤 比佐志